サーキュラーエコノミーシステムとは？事例、リサイクルとの違い

サーキュラーエコノミーシステムの構築によって、単なるリサイクルを超え、製品設計から廃棄物の再利用に至るまで、資源の循環を最適化することができます。

この記事では、サーキュラーエコノミーシステムの概要、そして注目を集める背景などを解説します。

1．サーキュラーエコノミーシステムとは

サーキュラーエコノミーは循環型経済とも呼ばれる経済モデルで、資源を効率的に利用しながら廃棄物を最小化し、持続可能な次世代社会を構築するための重要なコンセプトです。

さらに企業がサーキュラーエコノミーに取り組むことで、コスト削減やブランド価値の向上などのメリットも享受できます。ここではサーキュラーエコノミーシステムの概要を解説します。

（1）サーキュラーエコノミーとは？簡単に解説

サーキュラーエコノミーとは、簡単に言うと資源を捨てずに何度も使い、価値を循環させることを前提とした経済の仕組みです。

限りある資源をできるだけ長く、効率的に使い続けるために、修理・再利用・リサイクルなどを通じて、持続的に価値を生み出していく仕組みを意味します。

サーキュラーエコノミーは、リサイクルや廃棄物処理といった静脈産業に限らず、製造業や小売業、サービス業など幅広い業種において取り入れられています。

以下の報道動画では、企業によるサーキュラーエコノミーの先進的な取り組みとして、廃棄予定だった牡蠣殻を活用したスーツの開発事例が紹介されています。

①サーキュラーエコノミーの目的

サーキュラーエコノミーの究極のゴールは、消費・排出・廃棄を最小限に抑え、社会が半永久的に持続可能な形で存続できる経済システムを構築することにあります。その目的は、以下のような環境・経済・社会の3つの視点から整理できます。

環境	資源採取や廃棄処理に伴う環境破壊や温室効果ガスの排出を抑制
経済	廃棄物を新たな資源として再活用し、持続的な経済成長を促進
社会	資源の循環利用によって供給リスクを下げ、社会全体のレジリエンス（回復力・適応力）を高める

この考え方は、リデュース・リユース・リサイクル（3R）と共通点もありますが、サーキュラーエコノミーは製品やサービスの設計段階から資源の循環利用を前提とする点に特徴があります。

以下の記事では、企業の3Rに関する包括的な内容を解説しています。

②経済産業省のサーキュラーエコノミー実現に向けた取り組み

経済産業省では、サーキュラーエコノミーを「成長志向型の資源自律経済戦略」の一環として積極的に推進しています。

日本は多くの資源を輸入に依存しており、大量生産・大量消費型の経済モデル（リニアエコノミー）では、将来的な持続可能性に限界があります。そこで、サーキュラーエコノミーシステムを通じた経済の自立性と環境との調和が、重要な政策課題となっています。

サーキュラーエコノミー実現に向けた主な取り組みには、以下が挙げられます。

資源依存からの脱却	資源輸入に頼らず、国内資源や再生資源の活用によって安定供給を実現
新たな成長機会の創出	リサイクル技術や循環型ビジネスモデルの導入で、国際競争力のある産業構造へ転換
産官学連携の強化	企業・自治体・大学・研究機関が連携し、技術開発や制度設計を共同で推進
競争環境の整備	資金支援や税制優遇などの政策支援を通じて、循環型経済に取り組む企業の活動を後押し

より具体的な取り組みには、カーボンニュートラルを実現しつつ経済成長を促進する政策であるグリーン成長戦略などがあります。以下の記事では、グリーン成長戦略について詳しく解説しています。

（2）サーキュラーエコノミーシステムの3原則

サーキュラーエコノミーを国際的に推進するエレン・マッカーサー財団は、持続可能な経済システムの実現に向けて、次の3つの原則を提唱しています。

3原則	概要
Design out waste and pollution	排出・廃棄を限りなくゼロに近づける
Keep products and materials in use	既存の製品や素材を余すことなく有効活用し続ける。修理して使う
Regenerate natural system	自然資本の保全と増加を促す

これらは、サーキュラーエコノミーの設計・運用における基本的な考え方であり、各国の政策や企業の戦略にも影響を与えています。

これらの原則は、廃棄物ゼロの設計、既存資源の最大活用、自然資本の再生という3本の柱で構成されており、サーキュラーエコノミーを実現するうえで不可欠な指針となっています。

2．サーキュラーエコノミーと類似する言葉の違い

ここでは、サーキュラーエコノミーと関連する言葉との違いを解説します。

（1）サーキュラーエコノミーと3Rの違い

3RとはReuse（再利用）、Reduce（廃棄抑制）、Recycle（再資源化）を表す標語であり、いずれも使用済み製品や資源をできるだけ無駄なく活用するための重要な考え方です。

一方、サーキュラーエコノミーは、廃棄物を出さないことを前提に、資源を循環させる経済システム全体の再設計を目指す考え方であり、3Rよりも広範で構造的なアプローチとなります。以下の表でそれぞれの違いをご確認いただけます。

	サーキュラーエコノミー	3R
アプローチの範囲	経済システム全体を再設計し、資源循環を前提とした仕組みを構築	廃棄物の発生を減らし、資源を再利用・再資源化する
廃棄物の扱い	廃棄物そのものを出さない設計を前提とし、根本から発生源を断つ	廃棄物は前提とし、できるだけ再利用・再資源化する
製品のライフサイクル	設計・製造の段階から循環を想定し、ライフサイクル全体を最適化	主に使用後の段階で再利用やリサイクルを行う

3Rでも廃棄を抑制することは可能ですが、「廃棄物が出ることを前提」としているため、理論的にはゼロにはできません。
一方、サーキュラーエコノミーは、廃棄を生まない構造や流通設計を前提とし、そもそも廃棄物という概念を限りなく排除する方向で構築されています。

このように、廃棄にどう対応するかか廃棄を生まない構造をどう作るかかが、両者の根本的な違いです。

（2）サーキュラーエコノミーと循環型経済の違い

サーキュラーエコノミーと循環型経済は、いずれも環境負荷の少ない持続可能な社会を目指していますが、アプローチの焦点や設計思想に違いがあります。

	サーキュラーエコノミー	循環型経済
焦点	廃棄物をそもそも出さない仕組みの設計	発生した廃棄物をいかに再利用・再資源化するかに重点を置く
目的	資源の循環を前提とした持続可能な経済システムの構築	廃棄物削減やリサイクルによる環境負荷の軽減
出発点	製品やサービスの設計段階から循環利用を組み込む	使用後に発生する廃棄物をどう有効活用するかを検討する
概念の広がり	ビジネスモデル全体の再設計、経済成長との両立も視野に入れる	環境政策・廃棄物処理を中心としたリサイクル社会の構築に重きを置く

サーキュラーエコノミーと循環型経済は、どちらか一方を選ぶものではなく、相互に補完し合う関係です。

サーキュラーエコノミーで廃棄を減らす仕組みを上流で構築しつつ、循環型経済の考え方で下流における廃棄物の再活用を進めることで、より効率的で持続可能な資源循環が実現できます。

この2つを組み合わせることで、資源の効率的利用と環境負荷の削減を両立し、持続可能な社会の実現に貢献します。

（3）サーキュラーエコノミーとリサイクルの違い

サーキュラーエコノミーとリサイクルは、どちらも環境負荷の軽減を目指す取り組みですが、廃棄物に対するアプローチの起点が異なります。

	サーキュラーエコノミー	リサイクル
焦点	設計段階から廃棄物が出ない仕組みを構築	発生した廃棄物を再資源化して別用途に活用する
アプローチ	製品設計・流通・サービスのあり方を見直し、そもそも捨てない社会をめざす	廃棄物を分別・回収し、素材として再加工・再利用する
タイミング	使用前・設計時点から循環を意識して計画する	使用後に発生した廃棄物をどう再活用するかを検討する

サーキュラーエコノミーは、廃棄物を出さない仕組みを社会全体に組み込もうとする包括的なビジョンです。
その一方で、リサイクルはすでに発生してしまった廃棄物をいかに再資源化するかを考える実践的な手段です。

つまり、サーキュラーエコノミーが目指す社会の実現には、リサイクルという具体的なプロセスが欠かせません。
リサイクルはサーキュラーエコノミーの一部として機能し、製品や資源の持続的な循環利用を支えます。

（4）サーキュラーエコノミーシステムとリニアエコノミーの違い

リニアエコノミー（直線型経済）とは、「大量生産 → 大量消費 → 大量廃棄」を前提とした、従来型の経済モデルを指します。このモデルでは、資源を使い捨てることを前提としており、経済成長のスピードを優先する一方で、資源の枯渇や環境破壊といった課題を引き起こしてきました。

一方でサーキュラーエコノミーは、そうしたリニアエコノミーの問題点を乗り越えるために登場した、資源循環が前提の持続可能な経済システムです。

	サーキュラーエコノミー	リニアエコノミー
資源の扱い	製品の設計段階から再利用や再資源化を想定	資源は一度使ったら廃棄し、再利用は限定的
環境への影響	廃棄物やCO₂排出の削減により、環境負荷を軽減	廃棄物や排出が増えやすく、環境負荷が大きい

サーキュラーエコノミーは、製品や資源が常に循環し続ける仕組みを社会全体で実装することにより、経済成長と地球環境の保全を両立させることを目指しています。

3．サーキュラーエコノミーが日本国内で注目を集める背景

サーキュラーエコノミーは環境問題や資源の枯渇リスクを避けられる可能性があることから、日本国内で注目を集めています。ここでは、サーキュラーエコノミーが注目を集める背景を解説します。

（1）プラスチックごみ問題への対応

欧米では脱プラスチックが進んでいる一方、日本ではリサイクルされないプラスチックの多くが焼却処分されているのが現状です。

日本国内でもプラスチックの分別回収は行われていますが、その多くが熱回収（サーマルリサイクル）にとどまっており、素材としての再利用（マテリアルリサイクル）や再製品化は限られているのが現状です。

以下の報道動画では、プラスチックごみの自動仕分けが紹介されており、近年のプラスチックごみの対応についてご確認いただけます。

（2）資源不足

化石燃料や森林資源といった自然資源は、一度使い果たすと再生に非常に長い時間を要すことから、それぞれ以下のような課題を抱えています。

化石燃料	・原油・石炭・天然ガスなどは、生成に数百万年単位の時間を要する ・現代の使用ペースでは数十年以内の枯渇が懸念されている
森林資源	・伐採された樹木が完全に再生するには数十〜数百年が必要 ・過剰な伐採と都市開発により森林面積の縮小が加速している

このような状況の中で、使い捨て前提の経済活動は持続可能とは言えません。
社会全体が資源への依存を見直し、再生可能な仕組みを構築することが求められています。

（3）脱炭素（カーボンニュートラル）の実現

廃棄物の削減や資源の循環利用は、製造・廃棄の過程で発生する二酸化炭素（CO₂）の排出を抑制し、環境への負荷を軽減することに直結します。

カーボンニュートラルとは、人間活動により排出される二酸化炭素の量と、森林や植物などによる吸収量とを相殺し、実質的な排出をゼロにする考え方です。具体的には以下のような取り組みが含まれます

• 製造や物流などにおけるCO₂排出量の削減
• 再生可能エネルギーの導入
• 森林保全や植林による吸収源の強化
• 炭素クレジットなどの制度を活用したオフセット対策

このように、サーキュラーエコノミーの推進は、地球温暖化対策としての実効性も持ち合わせており、カーボンニュートラルの実現に向けた強力な手段となっています。

（4）経済の独立性

経済の独立性の観点からも、サーキュラーエコノミーの導入は強く支持されています。
日本のように資源に乏しい国では、リニアエコノミー（大量生産・大量消費・大量廃棄）を継続することで、他国からの資源供給に依存する体制が固定化され、経済的な脆弱性が高まることになります。

以下はプラスチックごみによるごみ袋を紹介する報道動画です。プラスチックごみの再利用により、サプライチェーン全体にコスト削減などの効果をもたらしている様子をご確認いただけます。

資源の乏しい国である日本だからこそ、国内で完結する仕組みを導入することで経済的な独立性を確保しながら持続可能な成長を目指すことできます。

（5）SDGsとの関連性

SDGsでは、サーキュラーエコノミーを直接的に明記しているわけではありません。
しかしその理念には、経済成長と環境保全の両立や、環境破壊につながる従来の行動からの脱却といった、サーキュラーエコノミーと共通する思想が多く含まれています。

サーキュラーエコノミーは、廃棄物の削減・資源の再利用・持続可能な生産と消費を促進する経済モデルであり、SDGsの中でも特に以下の4つの目標と密接に関係しています。

目標	内容	サーキュラーエコノミーとの関連
目標12	つくる責任、つかう責任	製品の設計段階からリサイクル・リユースしやすい設計（エコデザイン、モジュール化）を取り入れることで、資源の浪費を削減する。など
目標13	気候変動に具体的な対策を	埋立処分や焼却による温室効果ガスの排出を抑えることで、気候変動対策につながる。など
目標14	海の豊かさを守ろう	使い捨てプラスチックの削減や、生分解性素材の活用により、海洋プラスチック汚染を防ぐ。など
目標15	陸の豊かさを守ろう	違法伐採を減らし、リサイクル木材やFSC認証（持続可能な森林管理の認証）を受けた木材の使用を推進。など

環境や社会への配慮は企業の評価軸の一つとなっており、ESG投資の拡大や消費者意識の変化に対応するには、SDGsと親和性の高いサーキュラーエコノミーへの移行が不可欠です。

中長期的に見ても、サーキュラーエコノミーへの取り組みは、企業の競争力や社会的信頼を維持・強化するための重要な経営戦略となりつつあります。

（6）新しいビジネスモデル

サーキュラーエコノミーは新たなビジネスチャンスの創出という観点からも注目を集めています。循環型ビジネスモデルの例として、以下のようなものが挙げられます。

• リユース・リファービッシュ
• サブスクリプションモデル
• アップサイクル商品開発

たとえば、リサイクル可能な素材の活用や、製品設計の見直しを通じて持続可能性と収益性を両立する新しいアイデアを実現することが重要です。

こうしたモデルの導入により、企業は製品のライフサイクル全体を最適化し、長期的なコスト削減と利益の安定化を実現できます。

4．サーキュラーエコノミーシステムの市場規模

ここでは、サーキュラーエコノミーに関して、日本と世界における市場規模について解説します。

（1）日本国内では2030年に80兆円に達する見込み

経済産業省は2022年に作成した資料「成長志向型の資源自律経済の確立」のなかで、サーキュラーエコノミーに関する国内市場は80兆円規模に達する見込みがあることに触れています。

持続可能な経済活動や脱炭素社会への移行が進む中で、企業や自治体、消費者の間でサーキュラーエコノミーの重要性が高まっています。この変化がさらなる市場拡大を後押ししています。

（2）世界規模では2030年に4.5兆ドル

経済産業省が作成した資料によると、2030年には世界全体で4.5兆ドル（日本円で約500兆円）規模に達すると予測されています。

5．サーキュラーエコノミーシステムの事例

ここでは、日本企業におけるサーキュラーエコノミーシステムの事例を紹介します。

以下の動画では廃棄物処理プラントによる地域資源循環システムについてご確認いただけます。
廃棄物が20日でバクテリアに分解されており、資源循環として機能しています。

（1）プラスチックリサイクル材の利用促進

三井化学と日本IBM、そしてNRIは、プラスチックリサイクル材の利用促進による資源循環の活性化に向けたコンソーシアムの設立を進めています。

3社は今回のコンソーシアム設立に伴い、ブロックチェーン技術を活用したプラットフォームの開発を目指します。三井化学はモノマーやポリマーに関する豊富な知見を、IBMはブロックチェーンを基盤としたトレーサビリティプラットフォームの利用支援を、そしてNRIは豊富なDXへの知見を活かし、リサイクル材の利用促進を活性化します。

（2）環境配慮設計（エコデザイン）

スポーツメーカーのナイキは、環境配慮設計によるしサーキュラーエコノミーの実現に向けて動き始めています。

二酸化炭素排出、そして廃棄物ゼロを目標としたビジネスモデルの構築を目指しており、利用不可能なプラの排除、再生エネルギーを用いた物流センターの構築など、高精度かつ循環性の高い仕組みづくりを促進しています。

（3）シェアリングエコノミー

シェアリングエコノミーとは、ユーザー同士で可能な限り場所や時間、商品などをシェアすることにより、一人当たりの購入量を減らしつつ大量消費・大量生産の抑制と、ビジネスとしての成立を実現する考え方です。

近年日本で最も普及しているシェアリングエコノミー関連のビジネスは、ライドシェアです。持て余している自家用車を貸し出すことで、自動車購入の需要をカバーしたり、共用自転車や電動スクーターの普及で移動に伴う二酸化炭素の排出などを抑制したりする取り組みなどがあります。

（4）排出物の再資源化・削減

キヤノンでは、複合機のリマニュファクチュアリングによって、複合機の過剰生産を回避してきました。

リマニュファクチュアリングとは、回収した使用済みの複合機を一度分解し、洗浄と清掃を行った上で、再度新しい機器を生産するという技術です。
劣化したパーツだけを組み替え、新しい複合機として販売・リースを行うことで、最小限の部品生産によって複合機の展開が可能になります。

すでに90%以上のリユース率を達成しており、将来的にはさらなるリユース率の向上が期待されています。

6．サーキュラーエコノミーシステムの構築に必要な5ステップ

ここでは、サーキュラーエコノミーシステムの構築における5つのステップを解説します。

（1）自社課題を洗い出す

サーキュラーエコノミーを実現する第一歩は、自社の課題を具体的に洗い出しです。
現在の事業活動がどのように循環型経済の構築を妨げているのかを分析し、排出や廃棄の削減ポイントを明確化する必要があります。

課題の洗い出し方には、以下の方法が挙げられます。

排出量・廃棄量の数値化	二酸化炭素排出量や廃棄物の量を定量的に把握する
生産工程の見直し	原材料の使用状況や製品設計、生産プロセスを再評価する
サプライチェーンの分析	原材料の調達先や製品流通の過程も含めて環境負荷を評価し、改善点を洗い出す

課題を具体化することで、どの工程やプロセスを改善すべきかが明らかになり、持続可能な経済活動への移行をスムーズに進められます。

（2）ソリューション導入の範囲や具体的な手法を検討する

自社課題を解決するための具体的なソリューションを検討します。
特に検討すべきポイントには、以下が挙げられます。

• ソリューションの適用範囲
• 予算や規模の適合性
• 問題に応じた解決手法

自社の予算や事業規模に応じて生産工程全体に導入するのか、一部プロセスに限定するのかを検討します。
課題の性質に応じて、有効な方法は異なるため、自社の状況を踏まえた適切な対策を選択することが重要です。

（3）協業パートナーを探す

サーキュラーエコノミーは自社だけで取り組むのではなく、協業パートナーを探すことも重要です。
自力での実現は、リソースの限界や時間とコストの増加などの課題があり、外部の専門知識や技術を利用することが推奨されます。

業種の枠組みを超えた協業パートナーを見つけることで、自社だけでは困難なシステムの構築が可能となるでしょう。

（4）効果測定と改善に努める

効果測定により、期待通りの成果が得られているか、あるいは問題点がどこにあるのかを明確に把握できます。
以下のようなPDCAサイクルを繰り返すことで、改善と実行を繰り返すことが可能となります。

計画（Plan）	測定結果を基に目標を再設定し、新たな戦略を計画
実行（Do）	計画に基づいて改善策を実行
評価（Check）	再び効果測定を行い、改善策の効果を確認
改善（Act）	必要に応じてさらに改善策を実行

PDCAサイクルを回しながらプロジェクトの最適化を進めることで、持続可能な経済システムへの移行を確実に実現できます。

7．まとめ

サーキュラーエコノミーの実現は地球環境の持続可能性を維持する上で重要なのはもちろん、企業が末長く活動を続けていく上でも見逃せない考え方です。実現に際しては多くの設備投資がかかることもありますが、長期的には多大なリターンを見込めることも事実です。